北陸新幹線、京都に地下トンネル案 「地下水、どうなる」老舗が懸念
野口陽
色づいた葉や栗をかたどった鮮やかな秋の和菓子がショーケースに並ぶ。創業200年を超す京都市内の老舗和菓子屋「亀屋良長」。和菓子作りに欠かせないのが、京の街を流れる豊かな地下水だ。その水を守れなくなるのではないか――。8代目当主はいま、そんな危機感を抱く。
「亀屋良長では『醒ケ井(さめがい)』の井戸水でお菓子を作っています。京都市内は、昔から豊かな地下水の恵みを受けて食文化が育まれてきました」「北陸新幹線の小浜―京都駅間の延伸によってどうなるかわかりません」
当主の吉村良和さん(49)は今年3月、ツイッターにこう書き込んだ。
その少し前、北陸新幹線の延伸計画を知った。
北陸新幹線は金沢―敦賀(福井県)間が2024年に開業予定で、国の計画ではさらに大阪まで延伸される。新幹線は福井県小浜市付近を通過して京都府内を南下し、京都駅付近を通って大阪に向かう。京都市内は地下トンネルを掘ることを想定。地下40メートル以深となる可能性もある。
吉村さんの普段のツイートは和菓子のことばかり。「計画を知らない人が多い。もっとみんなで考えるべきだと思った」
気がかりなのは、井戸水への…
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