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第2回「私を改変したいの?」激怒した発達障害の妻 悩んだ夫が選んだ道

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鈴木彩子
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【A-stories】「ツレ」が発達障害 ふりまわされる、でも愛している

 2017年の暮れのことだった。

 会社員のオサムさん(43)が帰宅すると、布団と洗濯物がベランダに干しっぱなしになっていた。外は雨が降っている。

 「なんで干しっぱなしにするのか」

 発達障害と診断されている妻(49)を問い詰めると、「どこにしまったらいいかわからなかった」という。

 「考えてみたら」「わからない」と押し問答になった。

 同じ日、土鍋の洗い方でもけんかになった。

 洗剤を使わずに金たわしで洗うのがオサムさんのやり方。でも、妻が洗剤を使って洗っていたことが発覚した。油っぽいものを水だけで洗うことに、妻は抵抗があった。

 オサムさんが激怒すると、妻も激怒した。

 「オサムは、自分の思い通りに私を動かしたいだけ。そんななら、他の人と暮らせばいいじゃない」

 妻は、毎日を笑って楽しく暮らしたかった。それなのにオサムさんは、どっちでもいいようなささいなことにまで目くじらを立てて激怒し、自分の理想を押しつけてくる。

 食事に汁物は必須、子どもに菓子パンを与えるな、洗濯物を干しっぱなしにするな、あれをするな、これをするな……。

 我慢の限界だった。私だって、私なのに。

 「私を改変したいの? 無駄なことを」

 オサムさんは、何も言い返せ…

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    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2022年11月2日19時30分 投稿
    【視点】

     息子は昨夜も夫に叱られていました。 「何度言ったらわかるんだ。人がテレビ観てるのがわからないのか!」  何かをしていてふとテレビに集中すると、そこで立ち止まります。過集中の状態なので、父親のテレビ視聴の邪魔になっていることに気づきませ