減る投資と増える企業 「主役」がかわるアフリカ・ビジネス最前線
日本からアフリカに進出する企業は増えているのに、投資額は減っていく。ふつうは企業が増えれば投資も増えるはずなのに、何が起きているのか。アフリカビジネス最前線を探ると、消極的な大企業からスタートアップ(新興企業)への主役の交代劇がみえてくる。(今泉奏)
今泉奏
いまいずみ・すすむ 1991年生まれ。経済部で経済産業省や復興庁を担当。ツイッターアカウントは@AfricaSaruku
ガラス張りのオフィスに赤道直下のまばゆい太陽の光が差し込む。
ケニアの首都ナイロビでカーファイナンス事業を展開する日系スタートアップ「ハッキ アフリカ」では、20代を中心とする現地の社員がパソコンに向かっていた。小林嶺司・最高経営責任者(CEO)は「競争は激しいがチャンスも大きい。みんなモチベーションは高い」と話す。
東アフリカのスタートアップの中心地でもあるケニアでは、近隣国や欧米、アジアからも進出が相次いでいる。アフリカに特化したコンサルタント会社「アフリカビジネスパートナーズ」によると、アフリカ大陸では評価額10億ドル(約1400億円)を超える「ユニコーン」企業がすでに7社誕生している。
日本人の起業家たちもこの波に乗ろうとしている。「とくに若手起業家たちが一気に増えてきた」。日本貿易振興機構(JETRO)ナイロビ事務所の西川壮太郎所長はそう説明する。
JETROによると、202…