危うい「カラオケ法理」と線引き 音楽教室訴訟、識者はどう見たか
音楽教室のレッスンでの演奏について、教室は日本音楽著作権協会(JASRAC)に著作権料を払わなければならないのか。この点が争われた訴訟で、最高裁第一小法廷は24日、「生徒の演奏については、教室が払う必要はない」とする判決を言い渡した。判決への評価を、学習院大の横山久芳教授(知的財産法)に聞いた。
――裁判のどのような点に注目していましたか。
JASRACは自らが管理している楽曲に関して、使用料をとる対象を徐々に拡大させてきました。たとえばダンス教室やフィットネスクラブ、カルチャーセンターなどです。今回は、営利目的でもあるが、教育の場でもある音楽教室に支払いが求められました。
同じように楽曲を利用しているのに、一方が払ってもう一方が払わなくて済むとなると不公平とも言えます。
どこまで、どんな場合に徴収が認められるのか。法的なルールを明確化するためにも、今回の裁判は重要だと考えていました。
一、二審で分かれた判断
――今回の裁判では、音楽教室の「講師」と「生徒」の演奏が論点になりました。一審は両方が支払い対象になると認め、二審は講師だけが対象になるとの判断でした。何が違ったのでしょうか。
「カラオケ法理」と呼ばれる…
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