働き手は三重苦、賃上げ必要 連合・芳野会長、自民との距離感も語る
今月で就任1年を迎えた労働組合の中央組織・連合の芳野友子会長(56)が25日、朝日新聞のインタビューに応じた。物価高、円安、コロナ禍の「三重苦」が働き手の生活を圧迫しているとして、来年の春闘での賃上げの必要性を強調した。就任以来指摘された「自民党シフト」は否定し、めざす政策の実現には「トップセールス」も必要だとした。
インタビューでは、3月にあった自民党の麻生太郎副総裁との会食の経緯についても尋ねました。岸田政権の労働政策への評価や、残りの任期で取り組みたいことについても言及しています。
連合は来年の春闘での賃上げ目標を、従来の4%から5%に引き上げた。実際の賃上げにどうつなげるかについて、芳野氏は「連合が旗を掲げたことが一つ大きい。(目標の引き上げで)経団連や商工会議所などにもプレッシャーをかけていく」と述べた。
物価高に賃上げが追いつかない状況が続く中、「私たちは今、三重苦の中にいると思う。(来年の春闘は)重要な局面にきている」として、コロナ禍から業績が回復している業界では「ちゃんと物価高(分)までとっていくことが大事だ」と訴えた。
「中小企業がどれだけ賃上げできるかも大きい」とした上で、原材料の高騰を適正に価格転嫁するため、政府による環境整備が一層必要だとした。
また、労働者の労組への加入率が約17%まで下がっている中で、「労働組合のないところでも(賃上げ目標を)波及させていかないといけないので、目を向けていく」と話した。
「自民シフト」指摘に「困惑」
一方、連合は政治方針で「政…