長崎大学病院(長崎市)は25日、子宮体がんの手術を7月に受けた50代の女性が2週間後に大量出血し、死亡したと発表した。病院は「医療事故」と判断し、遺族側に謝罪。外部委員を含めた院内調査委員会で原因を究明するとしている。
中尾一彦院長が25日夜に会見し、「亡くなった患者と遺族に対して、誠に心苦しく申し訳なく思っている。本当に申し訳ございません」と陳謝した。
病院によると、女性は5月、病院で初期のステージ1の子宮体がんと診断された。医師2人が7月21日、手術支援ロボット「ダビンチ」を使い、腹部に開けた複数の小さな穴からアームにつけた内視鏡などを入れて子宮を全摘出した。
女性は8月1日に退院したが、4日、患部付近から大量に出血。意識不明の状態で近くの病院に搬送されたが、出血性ショックで死亡が確認された。
長崎大病院が5日に病理解剖したところ、左外腸骨動脈に約2ミリの穴が確認。この穴から大量出血したとみられることを10月1日に確認した。
病院は、手術が関与した可能性があるとして医療事故と判断。病院関係者が23日に遺族のもとを訪れ、陳謝した。
医療法は、医療が原因または原因と疑われ、病院側が予期しなかった死亡事故を「医療事故」と定め、病院側に調査を義務づけている。病院は調査委員会を開き、医師らの過失による「医療過誤」に当たるかどうかも調べる。
ステージ1「手術をすればほぼ助かる病気」
中尾院長によると、手術中に…