みつ入りのリンゴ、おいしさは「香り」からも
熊井洋美
信州育ちの記者は、秋の味覚のフルーツといえば、梨でもブドウでもなく、リンゴ。中でも「蜜(みつ)」がたっぷり入った品種が好物で、包丁を入れてみつの断面を見つけるとうれしくなる。おいしさの秘密を探ると、意外なデータにたどりついた。
リンゴの味(おいしさ)は、実に含まれる糖類の量や甘み度ではなく、香りに左右される――。
2016年、そんな研究結果を農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、茨城県つくば市)と香料メーカーの老舗・小川香料株式会社(東京都中央区)などのチームがまとめた。
人気の品種「ふじ」で、糖度が同じくらいの「みつ入り」「みつ無し」をそろえ、トレーニングを受けた男女29人が香りや味などを比べた。
まず、味については、鼻をク…