ハナバチと花が出合えない 気候変動が生むミスマッチに国連が危機感

有料記事

矢田文
[PR]

 鳥のヒナは十分なエサを食べられず餓死、植物は花粉を運ぶ虫と出合えないまま枯れる――。

 気候変動が生き物同士の関わりにズレを引き起こしている。「フェノロジカルミスマッチ」と呼ばれる現象で、国連は今年、新たな環境問題として対策を呼びかけた。

 秋になると葉が色づいたり、冬になるとクマが冬眠したり、生き物の多くは季節の移り変わりに合わせて生きている。こうした季節と生き物の行動・状態の変化をフェノロジー(生物季節)という。

 フェノロジーは今、気候変動の影響を大きく受け始めている。

 生物は環境が変化すれば、そこへ適応するように行動などを変えるからだ。日本各地で紅葉の時期が遅くなっているのもその一例と言える。

 ただ問題なのは、季節の変化を読み取るのに使うシグナルは、温度や日照時間など、生き物ごとに違うことだ。

 そのため変化の度合いは種によって差が出てくる。その結果として、複雑に作用し合ってきた生き物同士の関係にズレが出始めているのだ。

 北海道大大学院の工藤岳准教…

この記事は有料記事です。残り1394文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(春トクキャンペーン中)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

春トク_2カ月間無料