「すべての猫にへそ天で寝てほしい」 初めて猫を飼った社長は動いた
大阪で皮革小物の製造販売会社を営む菅野裕樹さん(39)は、2018年10月、人生で初めて猫を飼い始めた。
キジトラでオスの「セン」と、サビのメス「クラ」だ。
2匹は、堺市の保護猫支援団体にいた。センの方が少しだけ大きく、クラは公園の溝に落ちていたところを救われたという。
大学を休学し、オーストラリアで暮らした時、住んでいたシェアハウスに黒猫がいた。 心ひかれた。でも、「可愛い、という気持ちだけで飼ってはいけない」と思っていた。
仕事が軌道に乗り、生活が落ち着いてきたころ、猫との暮らしを思いついた。
ペットショップで買うのではなく保護猫を飼うことにしたのは、「自分を必要とされている感じ」がしたからだ。
生後3~4カ月ほど。両の手のひらから少しあふれる程度。小さかった。
最初は臆病だった。物音がするとすぐにテレビ台の後ろや押し入れに隠れた。
しばらくすると、べったりとくっついてくるようになった。2匹が寄り添い、安心しきった表情で寝る姿に癒やされた。
「ぐでーんと幸せそうにおなかを見せて『へそ天』で眠っている。そんな猫たちの魅力にはまっていきました」
そんな頃、コロナ禍で猫を飼う人が増えたものの、飼育放棄によって保護される猫も増えた、という悲しいニュースに触れた。
「うちの子たちは隙だらけで寝ている。全ての猫が安心して眠れるようにしたい」
そのために自分にできることは何だろう。
■「仰向けで寝る猫」プロジェ…