第3回江戸時代からのシソの千枚漬け 作り続けた「秘境」、笑顔が消えた
【動画】しその千枚漬け作りの様子=椎葉村提供
伝統的な漬物作りに食品衛生法の改正が与える影響を調べる取材は続く。「漬物博士」の宮尾茂雄がかばんから取り出して記者に見せた江戸時代の料理本「四季漬物塩嘉言(しおかげん)」。そこに作り方が書かれていたのは、「千枚漬け」だった。ただし、その材料はカブではなく紫蘇だった。「紫蘇の千枚漬け」なんて聞いたこともない……。
宮尾によると、「日本三大秘境」とも言われる宮崎県椎葉村で今でも作っている人がいるという。
個人で作って販売する漬物は、一定の衛生的な設備を備えることを求める法改正の影響を受ける可能性が高い。
「絶滅危惧」の千枚漬けはどうなるのか。
5月下旬、作り手に会うため椎葉村に飛んだ。(文中敬称略)
と言っても、九州の中央部の…