第8回検索エンジン競争、真の敗因とは 元ヤフーの「ミスター検索」が語る
日本の検索サイトで長く2大勢力だったグーグルとヤフー。中核技術である検索エンジンで、ヤフー・ジャパンは2010年からグーグルの技術を採用し、実質的にグーグルの「1強」状態となっている。中核技術の競争をめぐるヤフーの「敗北」とみる向きもあるが、なぜヤフーは追い込まれたのか。ヤフー・ジャパンで長く検索に関する開発や企画部門を歩み、社内で「ミスター検索」とも呼ばれた兵庫大学教授の宮崎光世さんに聞いた。
――2010年、ヤフージャパンがグーグルのエンジンを採用することになったのはなぜでしょうか。
米ヤフーがエンジンの開発を続けることを断念し、提携関係にあった米マイクロソフトのエンジンの採用を決断したことが始まりでした。日本のヤフーとしては、米ヤフーと同様にマイクロソフトに切り替えるのが有力な選択肢でした。そのほかの選択肢としては、日米のヤフーで共同開発してきた検索技術を引き継ぐことや、ライバルであるグーグルのエンジンを採用することも考えられました。
――結果としては日本のヤフーはグーグルと提携し、日本の公正取引委員会も「独占禁止法上、問題ない」として認めました。グーグルのエンジンを採用したことをどのように受け止めましたか。
私はエンジンの技術をそれぞれ評価した結果、グーグルの優位性が長期にわたると予想し、マイクロソフトがキャッチアップ(追いつく)できるか不透明だと考えていました。グーグルを選択できたことについては、とても安堵(あんど)しました。
――その提携によって、日本におけるグーグルの検索エンジンのシェアが上がり、「1強」状態は固まりました。果たして正しい選択だったのでしょうか。
ヤフーとマイクロソフトで組…
- 【視点】
記事後半にある、グーグルの「中の人」の評は、私自身、面識のあるグーグル社員(特に技術系)においても同じことを感じました。 <人が本当に見たいサイトを検索結果に出すために、多くの人が重要と考えるサイトを選び出す技術を磨き続けています。ま