「みんなの幸せのために生きた」保阪嘉内の碑前で集い

吉沢龍彦
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 作家宮沢賢治と盛岡高等農林学校(現・岩手大)時代の学友で、ともに文芸同人誌「アザリア」を創刊した山梨県韮崎市の農業指導者・保阪嘉内(1896~1937)を顕彰する集いが3日、同市で開かれた。

 集いは地元の「アザリア記念会」が2008年から開き、今回で15回目。東京エレクトロン韮崎文化ホールの前庭にある「花園農村の碑」の前であった。

 汽車をかたどった碑には「春は麦打ちせんと畑に立って遠山のかすみに消えゆく 夢みる喜び」「夏田植えして帰る田の水の上に浮む白玉」と続く嘉内の言葉が刻まれる。その隣には、賢治が嘉内にあてた書簡の言葉が記されている。

 これを、嘉内のひ孫の保阪哲哉さん(33)が朗読し、嘉内が作詞作曲した「勿忘草(わすれなぐさ)の歌」「藤井青年団歌」など4曲を韮崎市民合唱団が歌い上げた。

 11月3日は賢治が「雨ニモマケズ」を手帳に書きとめた日と考えられている。同会の向山三樹会長はその逸話を紹介し、「賢治と嘉内は親友として励まし合い、2人の理想である農民の幸せ、みんなの幸せのために生きた。その生き方を学びたい」と述べた。(吉沢龍彦)

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