就職難・格差…MZ世代に「居場所」くれた梨泰院 事故が落とした影
韓国・ソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)で10月29日夜に起きた雑踏事故は、ミレニアル世代とZ世代を合わせた「MZ世代」と呼ばれる20~30代に、大きな衝撃を与えた。この世代が犠牲者の8割以上を占めたからだ。激しい競争社会に生きる若い世代がストレスを解き放てる。ハロウィーンの梨泰院は、そんな若者の「居場所」の一つだった。
「たくさんの未来が消えてしまった」。大学4年のチェ・フィジュさん(26)は、150人以上が犠牲となった梨泰院の坂道を前に悔しさを吐露した。
梨泰院は大勢の外国人らが集い、若者にとって「非日常」を味わえる独特の魅力があるという。「『世界化』と『祭り』の両方を体験できる場所。学歴社会や就職難、格差といった難しい問題があるなかで、ハロウィーンの梨泰院はそんなストレスを解放してくれる存在だった」
チェさんも2018年と21年のハロウィーンに梨泰院を訪れた。4年前も通りを埋め尽くすぐらいの人出があったといい、「事前に一方通行を徹底して統制するとか、防ぐ方法はあったはずだ」と感じている。
セウォル号事故と重ね、また同世代が
約300人が犠牲になった2…