「これはすごい」。2020年秋、将来の「戦い方」と防衛装備について話し合っていた防衛省の一室で、驚きの声があがった。テレビ画面には、同年9月に始まったアゼルバイジャンとアルメニアによる「ナゴルノ・カラバフ紛争」で無人機が攻撃を仕掛ける様子が映し出されていた。
アゼルバイジャン軍は、トルコ製やイスラエル製の無人機を大量に戦場に投入。自爆攻撃型無人機が、アルメニアの防空システムや戦車を次々と破壊し、周辺の制空権を確保した。これは、無人機が勝敗を決した「ドローン戦争の幕開け」と言われた。
そして今年、ロシアが侵攻したウクライナの戦場は、複数の海外製無人機が飛び交う、本格的な「ドローン戦」に発展した。先端技術を駆使し、空中だけでなく、ロシア艦艇を狙った水中無人機も投入された。
装備化は「30~40年後」 後手になった議論
ウクライナ軍は米国製やトル…