事故率高い第4種踏切、減らない理由は 江戸時代までさかのぼる議論
今年は日本に鉄道が開業して150年。踏切のない新幹線が延びる一方、在来線では、列車の接近がわかりづらい危険な踏切の解消が足踏みしている。遮断機も警報機もない「第4種踏切」で、全国に2455カ所ある。なくせない一因には、鉄道がない時代からの生活の営みも絡むという。どういうことだろうか。
10月4日、高松市牟礼町の高松琴平電気鉄道(ことでん)志度線の「仲代第1踏切」の周りに、ことでん、香川県、市、県警の担当者、地元の自治会長、水利組合、土地改良区の代表者ら十数人が集まった。
同踏切は繁華街の瓦町駅から約8キロ離れ、線路脇には水田と住宅地が広がる。狭い農道に設けられた踏切には、日中は電車が1時間に5本ほど往来するが、警報機や電車が近づくと自動的に下がる遮断機はない。
ことでんの担当者は「仲代第1は11月1日で廃止したい」と切り出した。同社は、40カ所ある第4種踏切の全廃を目指しており、閉鎖を急ぎたいという。
9月20日、この踏切で近所の76歳女性が電車に接触し死亡する事故が起きた。電車に付いているビデオカメラの記録によると、女性は電車が30メートルほど手前に近づいたときに踏切に入り、運転士が警笛を鳴らしたが、よけきれなかった。関係者が集まったのは、安全策を考えるためだ。
ところが、地元の水利組合を代表する男性のひと言で空気が変わった。
「地権者は(鉄道がなかった…