鯖江のメガネと伝統織物で腕時計 和雑貨店が仕掛ける技術の「融合」
大平要
【静岡】和雑貨専門店の四季彩堂(浜松市東区)が、地元の遠州木綿のデザインと、福井県鯖江市のメガネや越前漆器職人の技術を融合させた腕時計の販売を始めた。
遠州木綿は、浜松周辺で江戸時代から続く、縦じま模様が特徴の伝統織物だ。同社では、関連の商品として、洋服や小物などを販売している。「もっと全国に広げられないか」。池本靖史社長は、ほかの地域の伝統工芸品とコラボし、新しい商品が開発できないかと探っていた。
メガネ製造で知られる鯖江で出会ったのが、バングルウォッチ。バンド部分にはメガネのフレームに使う素材を使い、文字盤は漆塗りで仕上げられていた。さっそく現地の職人に、商品開発を働きかけた。
布を文字盤に使うと針の動きに影響してしまうため、縦じま模様をデザインして文字盤の台紙に印刷した。柄は3種類で、それぞれ文字盤部分が4センチのものと3センチのものがある。税込み3万3千円。直営6店舗で販売を始め、10日からは同社のオンラインショップ(https://shop.shikisaido.com)でも扱う。
池本社長は「伝統工芸品どうしを組み合わせた独自商品は初めて。伝統技術を未来につなげるため、頑張って売りたい」という。(大平要)