やっと、出番が来た。
青山学院大の主将、宮坂大器(4年)にとって、6日の全日本大学駅伝は初めて走る学生3大駅伝だった。
任されたのは最長区間の最終8区だ。
原晋監督は起用理由をこう語った。
「今回走らず、いきなり箱根はないから」
今季のチーム目標は、箱根駅伝で大会新記録を出して優勝することだ。
総決算の大会に、主将が出走できるかどうか。
大切なテストの場でもあった。
この日、青学大は1区で4年生の目片将大がスタートから飛び出した。
2位でたすきをつなぎ、2区を走ったのは2年生の白石光星だ。
だが、ここでつまずいた。
白石は練習で好調だったが、試合に向けた調整がうまくいかなかった。
3区に渡す時点で13位まで落ちた。
この日、青学大のメンバーは8人中6人が4年生だった。
入学以来、誰ひとり部をやめていない結束力の強い学年だ。
白石の走りを見て、宮坂は急…