「生きる方法」探して見つけたパン なかなか膨らまないからこそ

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渡辺翔太郎
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 綿から取った酵母で作る「コットンパン」は、通常のパンと比べてゆっくりと発酵する。鳥取県西部の境港市パン屋が10月末から売り始めた。じっくり作業できるので、この店で働く人たちには合っている。

 「お菓子とパンの店 えぴくる」。精神や知的、身体に障害がある人の就労支援事業所だ。

 平日の午前9時すぎ。事業所の利用者やスタッフがパン生地を切り分けて丸めたり、焼き上がったパンにコロッケやキャベツを挟んだりしていた。

 NPO法人「穂のしるべ」理事長の岩佐美穂さん(68)が運営する。立ち上げたきっかけは長男(37)の存在だった。

 長男は重い知的障害があり、養護学校に通った。学校に通ううちはまだいい。でも卒業後、どうなるかが不安だった。まわりを見渡すと、障害がある人たちが活動できる場は見当たらなかった。「この子と生きていける方法は」。いつもそればかりを考えていた。

 足にマヒがあり、動きまわる…

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