「グアルディオラ・エフェクト」という言葉を耳にしたのは、4年前のワールドカップ(W杯)ロシア大会のときだった。
国際サッカー連盟(FIFA)の技術分析グループが大会のトレンドを示す言葉として、W杯に出場していない一クラブの監督の名前を挙げたのだ。
現在、マンチェスター・シティー(イングランド)を率いるジョゼップ・グアルディオラ監督(51)は母国のバルセロナ(スペイン)を2008~12年、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)を13~16年に指揮。彼の後を追うように、彼が育てた選手たちを主力にした、スペインが10年南アフリカ大会、ドイツが14年ブラジル大会で優勝。イングランドは18年ロシア大会で28年ぶりにベスト4入りした。
一クラブの監督がその国のサッカーや選手、指導者に広く影響を与えてしまう。しかも、グアルディオラ監督と同じように攻撃的なサッカーを志向し、独自性と時代を先取りするような先進性を持っている。
そんな指導者は日本では誰なのか。
行き着いたのが、現在、J1のコンサドーレ札幌で指揮を執るミハイロ・ペトロビッチ監督(65)だ。
愛称「ミシャ」。06年に来日し、サンフレッチェ広島、浦和レッズ、札幌のJリーグ3クラブで監督を歴任してきた。
「これが我々のスタイルだ」
一記者として、ミシャのサッカーに強い衝撃を受けた試合が広島監督時代にある。
09年10月25日、アウェーの川崎フロンターレ戦だ。
0―7の大敗なのだが、0―…
- 【視点】
「力がないから守備的な要素満載で戦略的なかけひきで勝つ、ということを繰り返していて、果たしてどこまでたどりつけるんだろうと思ってしまうんですね」 なぜペトロビッチ監督を招いたのか。Jリーグの野々村芳和チェアマンがコンサドーレ札幌の社長
- 【視点】
私が担当するラグビーでは、エディ・ジョーンズさん(現イングランド代表監督)がやはりミシャさんのような存在でした。 日本代表監督として、2015年W杯で南アフリカから金星を挙げたのは有名ですが、そこまでの道のりでは、複層的な攻撃の型であ