第1回日本のサッカーを変えたミシャ監督 2006年来日時の衝撃に迫る

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潮智史
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 「グアルディオラ・エフェクト」という言葉を耳にしたのは、4年前のワールドカップ(W杯)ロシア大会のときだった。

 国際サッカー連盟(FIFA)の技術分析グループが大会のトレンドを示す言葉として、W杯に出場していない一クラブの監督の名前を挙げたのだ。

 現在、マンチェスター・シティー(イングランド)を率いるジョゼップ・グアルディオラ監督(51)は母国のバルセロナスペイン)を2008~12年、バイエルン・ミュンヘンドイツ)を13~16年に指揮。彼の後を追うように、彼が育てた選手たちを主力にした、スペインが10年南アフリカ大会、ドイツが14年ブラジル大会で優勝。イングランドは18年ロシア大会で28年ぶりにベスト4入りした。

 一クラブの監督がその国のサッカーや選手、指導者に広く影響を与えてしまう。しかも、グアルディオラ監督と同じように攻撃的なサッカーを志向し、独自性と時代を先取りするような先進性を持っている。

 そんな指導者は日本では誰なのか。

 行き着いたのが、現在、J1のコンサドーレ札幌で指揮を執るミハイロ・ペトロビッチ監督(65)だ。

 愛称「ミシャ」。06年に来日し、サンフレッチェ広島浦和レッズ、札幌のJリーグ3クラブで監督を歴任してきた。

「これが我々のスタイルだ」

 一記者として、ミシャのサッカーに強い衝撃を受けた試合が広島監督時代にある。

 09年10月25日、アウェーの川崎フロンターレ戦だ。

 0―7の大敗なのだが、0―…

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    中小路徹
    (朝日新聞編集委員=スポーツと社会)
    2022年11月17日9時45分 投稿
    【視点】

     「力がないから守備的な要素満載で戦略的なかけひきで勝つ、ということを繰り返していて、果たしてどこまでたどりつけるんだろうと思ってしまうんですね」  なぜペトロビッチ監督を招いたのか。Jリーグの野々村芳和チェアマンがコンサドーレ札幌の社長

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    野村周平
    (朝日新聞スポーツ部記者=スポーツ行政)
    2022年11月17日12時31分 投稿
    【視点】

     私が担当するラグビーでは、エディ・ジョーンズさん(現イングランド代表監督)がやはりミシャさんのような存在でした。  日本代表監督として、2015年W杯で南アフリカから金星を挙げたのは有名ですが、そこまでの道のりでは、複層的な攻撃の型であ