「山県有朋」薦めた葛西敬之さん 死の前に安倍氏に伝えたかったこと

有料記事

奈良部健
[PR]

 財界の枠におさまらない人だった。常に国家を考え、外交安保から歴史、教育まで幅広く発信した。JR東海名誉会長だった葛西敬之さんが亡くなってから、半年がたとうとしている。歴史に「もし」はないが、葛西さんがいなかったら、東海道新幹線は現在のような在りようではなかったかもしれないし、リニアもどうだったかわからない。彼が成し遂げ、残していったものとは何だったのか。

 数年前から病に侵されていることを近しい人に告げ、葬儀や火葬の場所、参列者を自ら決めた。「死を制御」して、自ら人生の幕を閉じる。「無駄な延命治療はしない」。死に正面から向き合い、コントロールしようとしていた。

 私にも「やり残したことはあるが、年齢には勝てない」と話した。出社を続けたが、「あと1カ月で死ぬ」と語って入院。それからは、家族以外の人には会わなかった。

 唯一の例外が、首相として3度目の再起を託していた安倍晋三氏だった。入院から亡くなる1カ月半の間に3度、見舞いを受けた。

 なぜ安倍氏なのか。憲法改正や歴史観など、右派論客として共鳴する主張が理由だと思っていたが、意外な答えが返ってきた。「ウォーム・ハートだね。心根が本当にやさしい」

 最後の面会では、手を握って…

この記事は有料記事です。残り771文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

【期間中何度でも15%OFF】朝日新聞モールクーポンプレゼント