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里子委託「一発レッドカード」?に異論 児相に「隠さず相談したら」

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編集委員・大久保真紀
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 「つらい。(里子が使っていたものや部屋を)何一つ整理できず、6年前のままの家の中で暮らしている」

 9月9日、里親だった女性(60)=東京都在住=は東京地裁の法廷で訴えた。東京都の児童相談所が里親委託を不当に解除したなどとして、女性と介護職員の夫(48)が提訴した国家賠償請求訴訟でのことだ。

 都は、違法性を否定して争う姿勢を示している。

 訴状などによると、夫妻のもとに3歳の女の子が里子として委託されたのは、2010年春。里子は1歳のときに保護されて乳児院に預けられた。その後、夫妻の家庭で生活を始めた。

 里子には学習障害やコミュニケーション障害などがあったが、夫妻は我が子のように愛情深く育てた。夫妻には実子はいない。

 国が推進する里親制度をめぐって、児童相談所(児相)から里親の委託を突然解除され、里子を引き揚げられるケースが起きています。里子と突然引き離され、里親登録を取り消されたとして児相側を訴える元里親もいます。児相側は里子の安全を考慮したと主張していますが、一方で養育の継続性も子どもにとってはとても大切なことです。里子にとって何が最善の利益になるのか。

 女性はPTA活動に取り組み…

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    大久保真紀
    (朝日新聞編集委員=子ども虐待など)
    2022年11月9日20時0分 投稿
    【視点】

     里親委託を突然解除されたという事案は全国で起こっています。今回は東京都で裁判になっている事案をご紹介しましたが、沖縄でも裁判が起きていましたし、裁判まではいかなくても三重県でも元里親が県に不服の申し立てをしています。  もちろん虐待は許