30円のブラックサンダー、児童労働ゼロへ 「無理」と言われた挑戦

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藤田知也
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 1個30円ほどのチョコバー「ブラックサンダー」。9月中旬の生産分から、カカオ原料が児童労働撤廃の対策を取ったものにすべて切り替わった。販売価格はそのまま。国内メーカーで先駆けとなる試みは、4年前、東京・東銀座の喫茶店から始まった。

 ブラックサンダーをつくる有楽製菓の会長で創業家2代目の河合伴治(70)は2018年9月、日本のチョコがいかに児童労働に頼って作られているかをこんこんと説かれた。向かい合う相手は、NPO法人ACE事務局長(現副代表)の白木朋子。アフリカの子どもたちを支援する別のNPOから白木の存在を教わり、河合のほうからアポを取りつけて会いに行った。

 ACEは09年から、カカオ豆の原産国ガーナで、子どもの就学や貧困家庭の収入向上を通じて児童労働をなくす活動に取り組む。すでに欧米企業は人権問題に敏感になっていたのに対し、日本企業は原料の見直しに後ろ向きだと白木は実感していた。

 河合自身にも20年近く前、業界団体のツアーでガーナを訪ねた体験がある。カカオ農園で働く子どもたちと接し、図書館建設などへの寄付を始めていた。ただ、当時はお膳立てされた交流で、詳しい労働の実態に触れたわけではなく、人権問題にも疎かったと今では思う。

 河合が振り返る。

 「白木さんの話で、子どもが…

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    福田直之
    (朝日新聞コンテンツ編成本部次長=経済)
    2022年11月14日7時45分 投稿
    【視点】

    児童労働ゼロはチョコレート業界にとって喫緊の課題です。ブラックサンダーをつくる有楽製菓は熱意と取引先の切り替えをテコに、既存の取引先をも巻き込んで目標を達成する態勢をつくることができました。  「ウチみたいな小さなメーカーだけが原料を変え