中央アルプスのライチョウ100羽程度に 復活作戦「予想より順調」

菅沼遼
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 【長野】中央アルプスで国の特別天然記念物・ライチョウの「復活作戦」を進める環境省は8日、8月に動物園から移送され野生に戻された22羽(成鳥6羽、ヒナ16羽)のうち、10羽(成鳥3羽、ヒナ7羽)の生存を10月末までに確認したと発表した。

 中央アルプスの個体数は全体で100羽程度と推定される。冬の生存率は高く、無事に来春を迎えられれば、来年度には目標としていた30~50つがい(75~125羽程度)に到達する可能性がある。そうなれば、中央アルプスでの個体群の復活に大きく近づく。

 ライチョウは環境省のレッドリストで「絶滅危惧ⅠB類」(近い将来絶滅の可能性が高い)に分類されている。これを「絶滅危惧Ⅱ類」(絶滅の危険が増大している)に格下げすることを目指している。

 生息地はいま、北アルプス南アルプス、頸城(くびき)山塊など5地域。レッドリストの格下げには6地域以上に増やす必要がある。

 中央アルプスでは約半世紀前に絶滅したとされていた。だが、2018年に木曽駒ケ岳(標高2956メートル)で1羽のメスが見つかり、これをきっかけに中央アルプスでの復活作戦が動き出した。繁殖可能な成鳥のつがいを30~50、個体数で75~125羽程度にすることが目標とされた。

 20年に北アルプスの乗鞍岳から19羽を移送し、自然繁殖にも成功。そこから11羽を昨夏、那須どうぶつ王国(栃木県那須町)と茶臼山動物園長野市)に移送し、繁殖させた。今年8月、那須で生まれたヒナ16羽を含む22羽をヘリコプターで木曽駒ケ岳の山頂付近に運び、放鳥した。

 移送当時は小さかったヒナも、すでに成鳥並みの大きさに育った。このまま成長すれば、来年にも繁殖が可能になる。動物園生まれのヒナを野生に戻すのは初の試みで、成功すれば、他の絶滅地域でも復活させる可能性が広がる。

 復活作戦を指揮する中村浩志・信州大名誉教授は「予想以上に順調にきている。将来的には人の手を借りなくても集団を維持できるように300羽程度まで増やしたい」と話した。(菅沼遼)

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