第4回「無人機は後悔しない残酷兵器」 警鐘ならす池内・名古屋大名誉教授

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成沢解語
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 防衛省は攻撃型を含む無人機の導入拡大を進めようとしています。「味方を危険にさらさず、戦略の選択肢が増える」「他の装備品に比べ安価で、離島防衛への活用が見込まれる」と説明しますが、自律的に攻撃目標を設定し、相手を死なせる「自律型致死兵器システム」(LAWS)にも発展しかねないと言われています。「科学者は、なぜ軍事研究に手を染めてはいけないか」の著書がある池内了・名古屋大名誉教授(宇宙物理学)に無人機の問題点について聞きました。

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 岸田政権は年内に外交・防衛政策の基本方針「国家安全保障戦略」など三つの文書を改定します。今回の改定は日本の安全保障の大転換になるかもしれません。改定に関わる関係者、有識者に様々な視点から聞きました。

 ――無人機の問題点はどこにあるのでしょうか。

 「条件を自ら判断して攻撃するAI(人工知能)兵器につながるということです。そういう意味で無人機はAI兵器の一歩前だと思っています。無人機の活用は数年前から議論されており、開発者は『一般の人の被害を少なくできる』『敵だけを狙うことが可能』と言いますが、例えば『敵を攻撃せよ』という命令を人間から受けた攻撃型の無人航空機が上空からの赤外線計測で査察した物体が人なのか牛なのか、簡単に判断できるでしょうか。まして敵の軍人なのか、味方の軍人なのか、非戦闘員なのか区別がつくでしょうか」

 ――誤爆の危険性がありそう…

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