第6回戦闘のあり方を変える無人機 技術力高め、「防衛装備外交」の展開を

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編集委員・土居貴輝
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 ロシアによるウクライナ侵攻では、当初劣勢とみられていたウクライナ軍が無人兵器を効果的に使ってロシア軍を押し返し、反転攻勢を続けています。各国が無人兵器の導入を加速させる中、自衛隊も出遅れを取り戻そうと、来年度には攻撃型の無人機を初めて導入する方針です。「戦闘のあり方を変えるゲームチェンジャー」とも呼ばれる無人兵器。その効用を、古谷知之・慶応大学教授(先端技術と安全保障)に聞きました。

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 岸田政権は年内に外交・防衛政策の基本方針「国家安全保障戦略」など三つの文書を改定します。今回の改定は日本の安全保障の大転換になるかもしれません。改定に関わる関係者、有識者に様々な視点から聞きました。

 ――ウクライナ侵攻は、「ドローン戦争」の側面が大きくなっています。

 「ドローンを戦場に投入するのは、情報収集、攻撃を効率的に行えるからです。ウクライナ侵攻では、無人機、ドローンが注目されていますが、ウクライナ軍もロシア軍もドローンを含めて先端デジタル技術を前提とした軍どうしの戦いになっています。無人機、人工知能(AI)搭載のロボティクスが、空を飛ぶドローンだけでなく、陸、水上、水中でも使われています。民生用のデジタル技術が大量に投入され、それを支える技術者、運営主体も戦争に参加しています。民間人、技術者の戦争参加のハードルがかなり低くなったということを含め、技術的な観点から新しい戦争と位置づけられます」

 「特に注目しているウクライ…

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