広がる温室効果ガス「実質ゼロ」宣言 みせかけ排除へ国連が基準提言
シャルムエルシェイク=関根慎一
国連の専門家グループは8日、国連気候変動会議(COP27)で、温室効果ガスの「実質ゼロ」宣言の基準を提言する報告書を公表した。実質ゼロを宣言する企業や自治体は増えたが、化石燃料に投資を続けたり、排出量取引などに頼ったりする「みせかけ」の宣言を排除する狙いがある。
「実質ゼロ」とは、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを排出した分を、大規模な植林やCO2の回収技術などで吸収できる分で差し引き「ゼロ」にすること。2015年に採択されたパリ協定で掲げられ世界に広まった。ただ、基準や手法があいまいで、宣言しても足元の対策がされず、排出量が減らないとの批判が出ていた。
産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑えるには、30年に温室ガスの排出を半減させる必要がある。
公表された提言では、宣言は…