外国人受け入れ拡大から考える 問題は日本の人権保障 憲法季評

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憲法季評」 松尾陽・名古屋大学教授(法哲学)

 勤務先で開催された国際シンポジウムの後、海外の大学研究者と日本の民芸の話で意気投合した。そこで、後日、研究者とその夫を連れて、私と妻が愛知県内で民芸の作品が見られる場所を案内することになった。

 「私は見知らぬ土地で結婚して子育てをしていた時、日本人女性の親友がいたのよ」。東海道の古い街並みが残り、木綿の絞り染めでも有名な有松を案内している時、彼女が日本に深く関心を示している理由を説明してくれた。その日本人女性と、子育てや異国の地の不安を共有しながら大人として成長し、その中で日本の話もたくさん出たようだった。

 現在の大学に移ってから海外交流の機会が増え、海外の目を借りながら日本を見つめる機会が増えた。私個人としての話に限らず、このような機会は日本国内で増えていくだろう。今後、外国人の受け入れは増大し、また、その滞在期間は長期化していくことも予想される。

 2000年代前半から、政府は「観光立国」をスローガンに掲げるようになった。また、第2次安倍晋三政権では、表面上は「移民政策」ではないとされつつも、技能実習生の受け入れ期間が最長3年から5年に延長され、実質、外国人労働力を増員する政策が採用された。岸田文雄首相も「留学生は『日本の宝』」と述べており、今年8月には従来の留学生30万人計画をさらに拡大する方針を打ち出している。そして、日本の昨年の出生数はおよそ81万人であり、第2次ベビーブームと比べればその半分を大きく下回るまでに減少した。

 その中で見直されるべき問題…

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