月120万匹のコオロギ生産拠点も じわり東北で広がる昆虫食ブーム
西堀岳路
最近話題の昆虫食。粉末入りクッキーやチョコレートなど初心者向けのほか、姿そのままの煮干しや素揚げも。でも記者が勤務する東北地方では、今年9月に福島県いわき市に登場した昆虫食の自動販売機が「県内初」というから、首都圏ほどブームにはなっていない気もする。どんな状況なのか知りたくて現場を取材し、食べてみた。
いわき市泉町滝尻の交差点に登場した自販機は、地元の昆虫食愛好家で会社員の中野浩孝さん(36)が自費で中古機を購入し、設置した。カイコのさなぎやセミ、コオロギの素揚げなどの瓶詰が主に1千円。長崎県のメーカーから仕入れている。「ネットで調べた範囲では『県内初』の自販機と思います」と中野さん。設置後の1カ月で160個が売れた。
「見た目のグロさと、香ばしくて塩味がきいたおいしさとのギャップが昆虫食の魅力」と語る。しかし家では、妻から「私も使うお皿では食べないで」と言われているそうだ。
日本で初めて昆虫食の専門店…