ホンダジェットで鮮魚を空輸 長崎・五島から首都圏スーパーへ数時間
ジェット機を開発販売しているホンダとスーパーのマルエツ(本社・東京)、宅配大手のヤマト運輸の3社がこのほど、長崎・五島列島でとれた鮮魚を首都圏に空輸して販売する実証実験を行った。生鮮状態での出荷が難しい海産物を新鮮なまま首都圏に届ける荷物輸送サービスの提供をめざす。
10月28日、午前6時半。ブリやクエ、キビナゴ、アオリイカなど五島列島でとれた120キロの鮮魚が五島市福江町の魚市場で次々と競り落とされた。時間を空けずにヤマト運輸が集荷し福江空港へ。駐機場に待機していたホンダのジェット機に横付けし、機内に積み込んだ。午前8時半過ぎ、ジェット機は成田空港へ向けて飛び立った。
成田空港に午前11時半ごろに着いた後、ヤマト運輸が物流センターを介さずに直接輸送。鮮魚は午後2時40分ごろには首都圏のスーパーに並んだ。
ホンダのジェット機は、五島―東京のように定期直行便がなかったり、公共交通機関による移動が不便だったりする区間でも迅速に運ぶことができる。ホンダの井上大輔新事業開発部主任は、「今回は物流だが、離島など遠隔地への医師の派遣や、製造業の地方拠点間の効率的な移動、観光を中心としたレジャー用途などの広がりを試していきたい」と期待を込めた。(五島通信員・梶山王)
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