第3回鳴りやまない男性専用の相談電話 悩み抱え、「弱音を吐いてもいい」
「会社でいじめに遭った」「妻に暴言を吐いてしまいそうで不安」。全国の男性たちから、そんな悩みや相談がひっきりなしに届く。
大阪を拠点に男性専用の電話相談を受けている「『男』悩みのホットライン」。毎月第1、第2、第3月曜日の午後7~9時に開設する電話は、鳴りやむことがない。
開設した1995年度~2021年度の相談件数は計2874件。相談員は1件、1件、じっくり話をきいている。相談以外に、無言電話もたくさんあるという。
相談員を務めて9年の臨床心理士、福島充人(みちひと)さん(39)=兵庫県=は、最近の相談内容の変化を、肌で感じている。
1件の相談が終わると、相談員はその内容を「家族」や「仕事」、性器や性的嗜好(しこう)などに関する「性」、「性格・生き方」といったカテゴリーに分類する。
ところが、コロナ禍が始まった3年ほど前から、どこに分類すればいいのか悩む相談が増えているという。
「男はこうあらねばならない」といった考えにとらわれ、苦しむ男性のありようが注目されています。なぜ苦しいのか、どのように考えれば楽になれるのか。男性の悩みの相談に乗っている福島さんのお話から考えます。11月19日の国際男性デーの前後に配信する全9回連載「『男性を生きづらい』を考える」の3回目です。
自分の生活や近況を話し、「…
- 【視点】
中高年男性の中には「人に悩みを相談するのがはばかられる」という人が一定数います。「男は弱音を吐いてはいけない」、「男は問題をひとりで解決しなければならない」といった〈男らしさ〉に囚われていることが原因だと考えられます。無言電話がたくさんある

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男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[もっと見る]