ヤングケアラー、府立高校生の11・4% 初調査の昨年の倍以上に

宮崎亮
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 家族の世話や家事を日常的に担う子ども「ヤングケアラー」について、大阪府教育委員会は、府立高校生を対象にした調査の結果を発表した。「世話をしている家族がいる」と答えた生徒は11・4%と、初調査した昨年の倍近くに増えた。そう答えた生徒が20人以上いる高校が全体の8割を超すこともわかった。

 調査は7~9月、府立高校生10万9264人全員を対象にオンラインで実施。今月4日発表された結果では、回答した8万855人のうち、9236人(11・4%)が家族の世話をしていると答えた。こうした生徒が20人以上いる府立高校は167校のうち145校(86・8%)あり、最も多い高校では126人いた。

 世話をしている家族(複数回答可)は、きょうだいが68・1%、父母が29・7%、祖父母が9・9%。

 世話をする頻度は「ほぼ毎日」が約4割、「週に3~5日」が約2割。費やす時間は「3時間未満」が82・2%、「3時間以上」が8・3%だった。

 一方で、家族の世話について悩みを相談したことがある生徒は12・1%にとどまった。「支援を望む」と答えた生徒は15・3%おり、「進路や就職の相談にのってほしい」「学習のサポートがほしい」「世話を代わってくれるサービスがほしい」などと答えた。

 回答率は74・0%。昨年の調査は質問項目を厚生労働省による初の全国調査に合わせたが、府独自で行った今年は質問項目数を約4分の1に減らすなどしたことで、回答率が昨年の19・7%から大きく伸びた。

 昨年の調査では、全日制に限ると家族の世話をする生徒は5・7%で、全国調査より1・6ポイント高かった。府教委高等学校課の担当者は「今年は全国との比較はできないが、11・4%は深刻な状況。子どもたちのニーズを把握し、スクールソーシャルワーカーらと連携して支援につなげたい」と話す。宮崎亮

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