ヘルソン撤退「命のため」プーチン政権、痛手払拭に必死 戦況膠着か

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 ロシアが9日、ウクライナ南部の戦略的要衝であるヘルソン州の州都ヘルソン市などからの軍の撤退を決めた。

 ショイグ国防相による9日の撤退表明は、ウクライナ侵攻のスロビキン総司令官から戦況説明を受ける形で行われ、その模様は国営テレビでも流された。今回の撤退はプーチン大統領の指示であることは疑いはないが、テレビの映像にプーチン氏の姿はなかった。

 ロシア軍の撤退は、なぜこのタイミングになったのか。

 ヘルソン市周辺のロシア軍は9月以降、補給も自由にならない状態で、撤退は不可避との見方が強まっていた。ウクライナの軍事アナリスト、イワン・クリチェウスキー氏は「ヘルソン市を維持する軍事的な意味はすでに失われていた」と指摘。それでも撤退できなかったのは「政治的損失が大きすぎたからだ」と話す。

敗走のイメージ拭おうと

 プーチン氏がヘルソン州など4州の占領地で地元の親ロシア派勢力に「ロシアへの編入」を問う住民投票を強行させ、強引に併合宣言に踏み切ったのは9月。その直後に州都を失う事態だけは避けたかったとみられる。

 そのため、米国のシンクタン…

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    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2022年11月11日8時57分 投稿
    【視点】

    本当に「命のため」ならば、今すぐに侵略戦争をやめればいいわけだが、あくまでも今後の戦いをにらんだ戦略的撤退ということなのだろう。 以前も指摘したと思うが、今般の戦争の特徴は、プーチン・ロシアが大それた侵略を行っていながら、戦い方そのものは