4年に1度、世界中を熱くさせるサッカーの祭典、ワールドカップ(W杯)がやって来る。カタール大会に臨む日本代表は前回、あと一歩のところで初の8強入りを逃した。当時監督として指揮を執った西野朗氏(67)に、4年前の残像や後任者への提言を語ってもらった。
まぁW杯の怖いところでしょうか。追い詰めましたけども、やっぱり……何が足りないんでしょうね……。
W杯ロシア大会決勝トーナメント1回戦、ベルギー戦直後。西野氏がテレビインタビューで遠くを見つめながら絞り出した言葉だ。
日本サッカーに携わる人がみな、自問した。日本に足りなかったのは何か?
あれから4年余。その問いを当人はこう語った。
「チームというよりは、私でしょうねって。自分の采配だと、一番に思った。なぜ、試合をコントロールできなかったのか、と」
試合は後半3分に速攻から原口元気が先取点。4分後に乾貴士が豪快なミドルを決め、2―0とした。
日本の選手たちが喜びの輪に次々と加わっていく中、主将の長谷部誠が歩み寄ってきた。
「どうしますか?」
無理に攻めず、2点のリード…