第3回マヂラブは漫才?学者は決着させたが 野田クリスタル「コントです」

照井琢見
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 M-1で、前代未聞の「漫才なのか論争」を起こしたマヂカルラブリーの「つり革」ネタ。この春、「あれは漫才だ」と論証する学術論文が発表された。論争から約2年。マヂラブも、さぞうれしかろうと思いきや――。(聞き手・照井琢見)

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 ――掛け合いに戻らない「つり革」ネタで優勝した直後、記者会見で野田クリスタルさんは「文句は言わせません。あれは漫才です」と宣言しました。ネタが物議をかもすことは、予期していたんですか。

 野田「つり革のネタは、たまたま掛け合いに戻らないわけじゃなくて、『戻らないようにしよう』と作ったネタなんです。試みのようなもので、論争もそりゃ起きるだろうと」

 ――織り込み済みだったんですね。戻らないネタを、ファイナルにかけた狙いは。

 野田「ボケとツッコミを1個1個練るのも嫌になってきていて。試みだけで行ったらどうなるだろうって作ってみましたね」

 村上「とにかくウケるやつを追求したら、ああなった。別に『これは新しいだろう!』とやったわけではないです」

 野田「確かに、漫才界に一石を投じるぜ、とは思っていなかったですね」

 ――おふたりが関西人でないから、新しい型に振り切れたのでは。

 野田「関西でも、掛け合いに戻らない人はいますよね。最近は暴れてる系の人が増えてきたイメージあるけどなあ」

 村上「でも掛け合いなら、関西弁のほうが強いし面白くしゃべれるから、そうじゃない方向で試行錯誤した芸人が東京に多いのかも。関西のほうが、師匠や先輩にネタを直されることがあると思うんです。東京は野良芸人みたいなのが多くて、直されることが少ないのかなと」

 ――論文によると、おふたりのネタは「漫才だ」と分析されました。

 村上「賢い方が言うなら、あのネタは漫才なんですね」

 野田「論争さえ収まらなければ、マヂカルラブリーの一人勝ち。でも学者の方が『漫才です』と言うと決着がついちゃう。今度は僕から『あのネタはコントです』と言っていきたい。それにこれからは、ネタに意味ありげな研究しがいのある要素をちりばめようと思うんです。何の意味もないですけど」

 ――YouTubeの特別番組で、M―1の予選に出た若手芸人のネタを分析するそうですね。今年の傾向はどうですか。

 村上「マッチングアプリのネタがめっちゃ多いなと思いましたね。昔はそんなネタなかったなというネタが増えて、時代が変わったなって思います」

 野田「前までにぎやかしっぽいやつらは、3回戦で落とされてたんですけど。いよいよ2回戦で落とされていましたね。運営も気づいたんだと思います。3回戦からは真面目にやろうって」

 ――今年のM―1に期待することは。

 村上「一昨年、昨年と東京の漫才師がトロフィーをとっている。たぶん大阪側はいらついてるんですよ。大阪にトロフィーを持っていくんだという人たちがたくさんいると思うので、そこの戦いが見たいです」

 野田「NSC出身の人たちにも、優勝してもらいたいっすよね」

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 M-1の公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/m1grandprix/別ウインドウで開きます)で、特別番組「キラリと光るマヂカルスターを探せ!2022」が配信される。マヂカルラブリーの2人が、予選に参加した変わり種のコンビをピックアップし、そのネタを徹底分析する。前編は11月12日午後10時、後編は13日午後10時から公開する。

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