砂浜が消え、島は沈んだ 「ガス排出少ないのに」ソロモン諸島で何が

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ホニアラ=西村宏治
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 地球温暖化で生じたという被害をめぐり、エジプトで開催中の国連の気候変動会議(COP27)で、途上国が先進国に助けを求めています。被害の実態は、どのようなものなのでしょうか。国土が消失の危機にさらされている、南太平洋の島国を訪ねました。

 「気候変動との闘いよりも、戦争のほうに多くの資源が費やされるのを、私たちは目にしている。とんでもなく不幸なことだ」

 9月下旬、ニューヨークで開かれた国連総会でそう訴えたのが、南太平洋に浮かぶソロモン諸島のソガバレ首相だ。

 大小900を超える島々に約60万人が住むこの国には、温室効果ガスをほぼ出していないのに、気候変動のマイナス面を引き受けているという不満がある。

 環境NPOの世界資源研究所(WRI)のデータでは、2019年の二酸化炭素(CO2)のひとりあたり年間排出量は0・5トンで、日本の17分の1だ。

 そんなソロモン諸島のひとたちにとって、気候変動はどこでも身近に感じられるできごとだ。

■「海が近くなった」…

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    露木志奈
    (環境活動家)
    2022年11月16日13時30分 投稿
    【視点】

    「考えてほしいのは、失うものの大きさです」この言葉が全てを表現している。気候変動の原因をほとんど作っていないのにも関わらず、その影響を誰よりも早く受け続けるソロモン諸島。次世代は、故郷で生活していけるのか、いや、今日生きていけるか、そんな状

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    小暮哲夫
    (朝日新聞GLOBE副編集長=アジア)
    2022年11月14日18時30分 投稿
    【視点】

    中国と安全保障協定を結んだことで、アメリカ、オーストラリア、日本などが懸念を示すソロモン諸島。アジア太平洋の安全保障の観点から、ソロモンや太平洋の島国との関係を考えるのは、とても大切なことです。 一方で、気候変動は、小さな太平洋の島国各国