第1回マイナカードに欠けるスマホの発想 サイボウズ社長「やめるなら今」
IT企業サイボウズの青野慶久社長は怒っています。「マイナンバーカードを一度やめたほうが絶対に安上がりになる」と。
もともとマイナカードに対して厳しい意見を発信する青野社長ですが、「政府は兆単位のお金を浪費している」とも指摘します。どういうことなのでしょうか。
――政府は2年後に現行の健康保険証をやめて、マイナカードに一本化すると発表しました。これをどう受け止めましたか。
政府は2024年秋に現在の健康保険証を廃止し、「マイナ保険証」としてマイナンバーカードに一本化する方針を打ち出しました。カード取得を「任意」から「事実上の義務化」に切り替えたと言えます。唐突な政府の方針転換に問題はないのか。有識者らに話を聞きました。
セキュリティー「たいして強くない」
「強引だなと思いました。そもそも必要性への国民の理解が乏しく、利便性が低いという問題があるから、カードは普及していないわけです。それを解決しないまま強引に配りたいんだなと。同時に政府のこれまでの政策に矛盾も感じました。強引に進めるのであれば、マイナポイントのばらまきやテレビCMは何だったんだと。その辺の政府の姿勢がすごくちぐはぐで、兆単位のお金を浪費したんだなというのが感想です」
――20年9月にウェブサイ…
- 【視点】
"失敗したらやめて、すぐに新しいことに力を振り向ける。それがデジタル社会に適した組織の形です。そういう姿勢で進めてほしいと思います" IT企業のプロジェクトの進め方はサイボウズの青野慶久社長が言う通りです。プロジェクトの途中でも失敗
- 【視点】
「いったんやめて、スマホ前提で再設計を」という提案は納得感があります。もちろん、全国民が対象のプロジェクトですから、スマホが使えない人のための代替手段はかならず確保しなければなりません。しかし、これだけスマホが普及し、認証機能が格段に進歩し