近所の公園を「自分たちの公園」に 世代をつなぎ、民主主義の糧にも
「私の視点」 中津秀之さん(関東学院大学准教授、ランドスケープ・アーキテクト)
近年、各地の都市公園におしゃれなカフェやレストランなどが併設され、にぎわいをみせている。これは2017年の都市公園法の改正により導入された「Park―PFI」という制度で実現したものだ。一定の公共性を持つ収益施設を公園内に建設することを許可し、収益の一部を管理運営費に充当する仕組みだ。
人口減少で税収が減る自治体にとっては、うれしい制度改革ではあろう。しかし、この制度の恩恵にあずかる公園は、参入する企業が収益性を確保できる都心部に限られているのが実情である。
いま本当に問題が山積しているのは、郊外の住宅地に点在する小さな公園である。コロナ禍で初めて自宅周辺の公園を散歩した人も多いはずだ。そこで目にしたのは、様々な禁止看板や雑草ぼうぼうの地面、落葉の山……。決して「素敵!」とは言えない公共空間の姿だったに違いない。在宅勤務で息が詰まり、パソコンを小脇に抱えて公園を目指した人にとって、期待を裏切られた気分だったのではないだろうか。
生活エリアの公園の蘇生は住…