「かかりつけ医」患者1人に複数で対応 政府有識者会議が方向性示す
地域で患者の日常的な診療や健康管理をする「かかりつけ医」の制度整備にむけて、政府の有識者会議は11日、複数の医療機関が連携して1人の患者に対応する方向性を示した。厚生労働省はこれを踏まえて制度を具体化し、早ければ年内にも案を示す方針だ。
かかりつけ医の考え方について、「全世代型社会保障構築会議」の専門家らが資料として公表。「超高齢社会でかかりつけ医機能は不可欠。早急に実現すべきだ」と指摘した。
機能の候補として、よくある病気への対応、日常的な健康管理の相談、休日や夜間の対応、他の医療機関への紹介などを挙げた。
そのうえで、「機能は複数の医療機関が緊密に連携して実施することも考えられる」とした。臓器や病気ごとに専門化が進み、一人で幅広く診療できる医師が少ないことが背景にある。また、どの医療機関にどんな機能があるか、住民へ情報提供が必要だとした。
一方、かかりつけ医機能を活用するかは医療機関、患者それぞれが選べるようにすべきだと示し、医療機関ごとに患者を割り当てる「登録制」は前提としなかった。新型コロナ下では、発熱患者がいつも通う医療機関を受診できない例が相次ぎ、登録制を求める声も根強い。
かかりつけ医をめぐっては、日本医師会もめざす方向性を2日に示し、「他の医療機関と連携し、地域におけるネットワークで対応していくことが望ましい」と説明している。(枝松佑樹)
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