東京ガス、火力発電所の建設計画を変更 漁業者らの反対受け「空冷」
宮川純一
東京ガスは11日、千葉県袖ケ浦市に建設中の液化天然ガス(LNG)火力発電所について、運転開始時期が約2年遅れて2030年度になると発表した。地元の漁業者らが水産物への影響を懸念しているため、発電所の冷却に水ではなく、空気を使う方式に変更して海水温が上昇しないようにするという。
漁業関係者は、発電所の排水による水温上昇でノリの養殖などに悪影響が出ることを懸念しており、国の環境影響評価(アセスメント)の手続きをいったん停止する。空冷式は水冷式より大がかりな設備が必要で建設費用も膨らむとみられるが、詳細は未定という。
この発電所は、計画の変更が続いてきた。もともとは東ガスと九州電力、石油元売り大手の出光興産の3社で石炭火力発電所の建設を計画していたが、環境対策の問題などから中止。東ガスと九電の2社で環境負荷が石炭より低いとされるLNG火力に変更したが、九電は今年6月に撤退した。東ガスは電力販売に力を入れており、単独でも計画を維持している。(宮川純一)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。