半導体新会社、成功の鍵は? 「TSMCと競ってはいけない」
若井琢水 伊沢健司
トヨタ自動車やNTTなど大手企業8社が、次世代半導体の国産化をめざす共同出資会社「Rapidus(ラピダス)」を立ち上げた。かつて世界を席巻した「日の丸半導体」の再興をめざす経済産業省が旗振り役だが、国のこれまでの半導体政策には失敗も目立つ。出資企業との間には温度差もある。
「日本の半導体産業をいかに復活させるか。それでもって日本の産業競争力をつけることが非常に重要だ」。ラピダスの会長に就いた東哲郎氏(半導体製造装置大手の東京エレクトロン前社長)は11日の会見でこう訴えた。
同社は2027年の次世代半導体の量産開始をめざし、関連設備の導入や人材育成を始める。その原資は、経済産業省が用意する700億円の補助金だ。設立されたばかりの企業に巨額の補助金がつくのは異例といえる。
背景にあるのは、経産省との…