第4回「女は楽でいいな」が変わった 灘、洛星…男子校でもジェンダー教育

有料記事

机美鈴
[PR]

 伝統的な男子校で、ジェンダーに目を向けた教育が始まっている。均質性の高い集団で育つ生徒たちに、多様な視点を学んでほしいと考える教師たちの取り組みだ。

 灘中学・高校(神戸市東灘区)で10月にあった土曜講座。学内外の講師による約30の講座を中高生が希望に応じて選ぶ。

 公民科の片田(かただ)孫(そん)朝日(あさひ)教諭(46)は「ジェンダーを学ぶ」の題で開講した。講座では女性の性暴力被害や低賃金の問題を学ぶとともに、男性の感情表現の課題を取り上げた。

 「恋人や親友に旅行をまたドタキャンされた。気持ちをどう伝えるか」

 約20人の生徒に問いかけると、「なんでなん」「またか」といった回答が出た。「攻撃的にならず、自分を主語にして気持ちを伝えられたらいいな」と片田教諭。「楽しみにしていたから残念」「何度も断られると本当は嫌なんかなって不安になるよ」といった例を挙げた。「アサーション」という自他を尊重した自己表現のレッスンだ。

「男らしさ」にとらわれ、苦しむ男性のありようが注目されるようになってきました。悩みの実態や背景とは。11月19日の国際男性デーを機に考えます。

「感情表現よりも微分・積分が得意」

 同校はトップクラスの難関校…

この記事は有料記事です。残り1922文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

春トク_2カ月間無料
  • commentatorHeader
    田中俊之
    (大妻女子大学准教授 男性学研究者)
    2022年11月17日21時43分 投稿
    【視点】

    自分の高校時代にこうした授業があったらどんなによかっただろうと思います。〈女らしさ〉/〈男らしさ〉が生まれつきの特性ではなく、社会的・文化的に形成されていること、そして、現状では男女間に大きな権力の差があること、この二つを理解することによっ

  • commentatorHeader
    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2022年11月18日8時22分 投稿
    【視点】

    今年3月に国際NGOプラン・インターナショナルで公表したレポート「日本における女性のリーダーシップ2022」では学校におけるリーダーシップ教育についてアンケート調査を行ったものですが、アンケート調査結果を踏まえ、専門家の方にコメントをいただ

Think Gender

Think Gender

男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[もっと見る]

連載「男性を生きづらい」を考える(全15回)

この連載の一覧を見る