「容疑者はサイドポニーテール」追ったミアタリ 車内には2人の子が
小野大輔
10月20日の夕方。班長(39)は、ひとりの女を追っていた。
数日前から、銀行協会を名乗る女が高齢者宅を訪れ、キャッシュカードをすりかえて盗む特殊詐欺が兵庫県の川西市や三田市で相次いでいた。
女は二つの手がかりを残していた。インターホンに映った20~30代くらいに見える顔の画像と、移動に使ったとみられる大阪・堺ナンバーの黒いミニバン。
捜査を託されたのは、県警の見当たり捜査班、通称「ミアタリ」だった。
容疑者の顔写真を頼りに、街中で見つけ出す。それがミアタリの任務だ。
インターホン画像は鮮明ではなかった。
ただ班長は、ポニーテールを横に作った特徴的な髪形を目に焼き付けた。
午後5時すぎ。「特徴の似たミニバンが国道2号を走行中」との情報が入る。
西宮市の瓦木交差点で待ち構…