「ファンへの恩返し」と絶賛の一番 初優勝狙う高安、気がかりな右足

加藤秀彬
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 (大相撲九州場所初日 ○高安―●若隆景)

 「大事な一番ですよ」

 取組を前に、八角理事長(元横綱北勝海)はこう言った。高安にとっては初優勝を、若隆景にとっては大関昇進への足固めを狙う上で、この一番が持つ意味は大きかった。

 立ち合い、高安は勝利した先場所と同じように右からかち上げた。が、前回と違い、若隆景にこらえられる。そこからは突き押しの応酬。最後は、馬力で勝った高安が相手を押し出した。

 「こういう相撲を見せるのがファンへの恩返し」と八角理事長。取組後、両ひざに手をつく高安の姿が激しさを物語っていた。

 1勝の重みを、高安は自覚しているはずだ。春場所は優勝同点、秋場所千秋楽を首位と1差で迎えたが、いずれも最後に力尽きた。

 先場所、玉鷲に敗れて優勝を逃した直後には「何度でも挑戦します。もう今日から九州場所をめざします」と語っていた。賜杯(しはい)への思いは人一倍あるはずだ。

 気になるのは右足の状態か。けがをしたため、10月下旬の秋巡業最終日を休場した。場所前まで治療し、この日も取組後に気にするそぶりを見せていた。

 今年は、これまでの5場所全てで別の力士が優勝した。1年を締めくくる今場所は、横綱照ノ富士が不在だ。元大関の32歳は「場所を盛り上げることを考えて毎日相撲を取りたい」。加藤秀彬

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