トルコ・イスタンブールの繁華街で爆発、6人死亡、81人けが
トルコの最大都市イスタンブールの中心部で13日夕、爆発があり、これまでに6人が死亡、81人が負傷した。アナトリア通信は14日未明、ソイル内務相の話として、実行犯が逮捕されたと伝えた。
イスタンブール県知事によると、爆発があったのは13日午後4時20分ごろで、現場はイスタンブールの繁華街にあるイスティクラル通り。AFP通信によると、ソイル氏は、分離独立を目指すクルド人らの非合法武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)が事件の背後にいるとの見方を示したという。
ボズダー法相は地元メディアに対し、40分ほどベンチに座っていた女が立ち去った後に爆発が起きたとしている。エルドアン大統領は、「この危険な攻撃の犯人と背後にいるものを明らかにするために捜査を続けている」と強調した。
歩行者天国のイスティクラル通りはレストランやブティックが立ち並び、多くの観光客や地元の人たちが集まることで知られている。ロシアやフランスの総領事館もある。在イスタンブール総領事館によると、現地時間13日午後8時半の時点で、日本人が巻き込まれたという情報はないという。
地元メディアの映像には、現場周辺に警察や救急隊がかけつけ、逃げる人たちの姿が映っている。SNS上では、群衆が埋め尽くす通りに突然爆発音が響いて炎と煙が立ち上り、悲鳴とともに人々が逃げ出す様子があった。現場周辺は封鎖され、銃を持った治安部隊などが展開。救急車などのサイレン音が鳴り響き、上空ではヘリコプターが旋回していた。現場近くで働くアイシェ・オズケサルさん(63)は、「何がどうなっているのかまったくわからず心配だ。テロが多かったころを思い出し、怖くなった」と話した。
イスティクラル通り付近では2016年に自爆テロによる攻撃があり、外国人が犠牲となった。この時期、トルコでは、過激派組織「イスラム国」(IS)やPKKによるテロが頻発し、社会不安が高まった。観光客も減少し、その後当局は徹底した取り締まりで未然にテロを防ぎ、近年はイスタンブールなどで大規模なテロ事件は起きていなかった。
テレビやラジオの監督当局は13日、今回の爆発に関する報道を一時的に規制するとした。混乱を避ける狙いがあるとみられる。一方、ツイッターなど一部のSNSがつながりにくくなっている。(イスタンブール=高野裕介)
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