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「使えたら助かる」技術、求めます 東京消防庁、コロナ禍など見据え

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岩田恵実
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 受け入れ可能な病院がすぐにわかる情報共有システムや、火災や事故の危険性を察知して教えてくれるアプリ……。東京消防庁がこのほど、そんな「使えたら助かる」技術をリストアップし、開発に伴う技術提供などで協力してくれる民間企業の公募を始めた。コロナ禍などが原因で多忙な現場への、サポートを期待しているという。

 同庁は昨年4月に専門チームを作り、消防や救急活動にAI(人工知能)やビッグデータを活用する道を模索してきた。今回の取り組みはその一環で、職員へのアンケートなどを通して、現場が求めるシステムや技術の「アイデア」を募集した。

 その過程で見えてきたのは、現場が抱える様々な課題だ。

搬送に35時間超も

 例えば、新型コロナ感染者の受け入れ先の医療機関が見つからず、搬送まで長時間かかる問題。都内では今夏、搬送までに約35時間47分かかった事例もあった。感染拡大の「第7波」での病床の逼迫(ひっぱく)が原因だった。

 現状は、救急隊員があちこちの病院に電話して、その度に患者の症状などを伝え搬送の可否を確認している。そこで同庁は、受け入れ可能な医療機関がすぐに分かるシステムの構築に向けた、デジタル技術を求めている。全国で第8波の「兆し」も指摘されており、医療機関の負担も減らしつつ、先々の搬送業務の軽減にも役立てたい考えだ。

 人手不足などに伴う業務の効率化も求めたいという。職員は高齢者や体の不自由な人の自宅を個別に訪問して防火・防災を指導してきた。ただ高齢化で対象者が増えて手が回りにくくなったことに加え、コロナ禍で自宅の訪問自体が難しくなっているという。

 そこで考えたのが「指導」にスマートフォンのアプリを使うこと。スマホで自宅を撮影してもらい、火災につながる可能性がある「たこ足配線」や、転落事故を招きかねない踏み台がベランダにないかなどをAIが察知し、職員に代わって利用者に危険性を知らせる。そんなアプリの開発に期待する声もあったという。高齢者本人だけでなく、介助者や家族も利用できるようにしたいという。

VR使って消防訓練

 このほか、隊員の心拍数や体温などから疲労度を測って過労状態を防ぐウェアラブル機器や、危険な火災現場を再現して若手の消防職員の訓練に使うVR(仮想現実)技術など、民間企業に協力を求めたいアイデアは計15個に上った。

 協力会社を公募することで、優れた技術を持つ新しい企業を発掘する狙いもあるという。すぐに導入できる製品であれば来年度予算での導入を検討。技術に関する情報であれば、製品化に向けた共同開発も想定しているという。

 担当する、同庁の幸晋之介・デジタル化計画係長は「すぐに現場に導入できないものでも幅広いアイデアや技術の情報を集めたい」と話している。

 公募期間は12月15日まで。詳しい応募方法は同庁の公式ホームページ(https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/別ウインドウで開きます)へ。(岩田恵実)

消防庁が「助かる」技術15選

●東京消防庁が「使えたら助か…

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