第8回いぶりがっこ生産農家3割「撤退」も 法改正で伝統的漬物が危機

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 昨年6月に施行された改正食品衛生法で、漬物の製造販売が許可制になり、衛生的な製造施設などの整備が求められるようになった。経過措置が終わる2024年6月の完全実施まで約1年半。自家製の漬物を販売してきた農家の中には、改正法への対応を断念して廃業する人も出てきている。

 保存食である漬物はこれまで、多くの都道府県で条例に基づく届け出をすれば販売できた。これに対し、改正法では工場などの衛生的な施設を備えていることを要件とする「営業許可制」に変わった。

 漬物の産地では、法改正の影響が出始めている。

 干した大根をいぶした漬物「いぶりがっこ」が特産の秋田県は昨年7~9月、直売所で漬物を売っている農家636人にアンケートを実施。法改正後に必要とされる営業許可を取得するかどうか聞いた。

 回答した306人のうち「営業許可を取得する」とする人が57%(175人)だったのに対し、営業許可を取らず漬物販売から撤退するという人が35%(108人)、未定が8%(23人)だった。

 厚生労働省が法改正に乗り出したきっかけは、12年に起きた浅漬けによる大規模な食中毒だった。札幌市の食品会社が製造した白菜の浅漬けで腸管出血性大腸菌O(オー)157による集団食中毒が発生。169人が発症し、8人が亡くなった。

 規制強化の対象を漬物全般としたことについて、厚労省の担当者は「浅漬けとそれ以外を区別する線引きが難しい」と説明。製造・販売を取りやめることを考える農家が出ていることについては「小規模な事業者に対して自治体が柔軟な対応をできるよう、自治体に助言をしていきたい」と話した。

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