ナポレオンやヒトラー阻んだ「冬将軍」 苦しい補給、ロシアも不利?

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聞き手・丹内敦子
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 ロシアが侵攻を続けるウクライナはまもなく、厳しい冬を迎えます。ナポレオンにヒトラー……。冬はこれまで、少なからぬ戦争に決定的な影響を与えてきました。気温が下がり、雪や凍結が増えると、ウクライナでの戦況をどう変えるのでしょう。戦史を振り返りながら、防衛研究所戦史研究センターの花田智之主任研究官に聞きました。

 ――歴史上、冬の戦争で有名なものは何ですか?

 (1812年の)ナポレオンによるフランス大陸軍のモスクワ遠征や、(第2次世界大戦での)ヒトラー率いるドイツ国防軍とソ連の戦争でしょう。いずれも「冬将軍」が想起されます。

 寒冷地であるロシアの軍隊なので、冬はロシアに有利に働くと思われがちですが、歴史をひもとくと、必ずしもそうではありません。有利なときも、不利なときもありました。

 ――不利なときとは?

 1939年11月末に始まった(ソ連と)フィンランドとの「冬戦争」です。この戦争はウクライナ侵攻と似た点がいくつかあります。一つは圧倒的な戦力差があったことです。

 ソ連軍の兵士100万人、戦車2600両に対し、フィンランド軍は32万人と約70両。圧倒的な差があったのに、フィンランド軍による防衛戦により、早期決着とはなりませんでした。

 ソ連はフィンランドを過小評価しました。戦争は短期に終わるとみて、帽子、外套(がいとう)、手袋、靴などの冬用装備が不十分でした。弾薬不足にも悩まされました。

 冬の戦争では補給線、兵站(へいたん)をしっかりと整えなければならないのに、ソ連軍はそれを怠ったのです。

 他方、フィンランド軍は練度も高く、装甲車両が通れないような険しい地形でも兵士が移動できる「スキー部隊」を編成し、自国の気候や地形を熟知した「地の利」を生かしたのです。

 ソ連は当初、フィンランド全体を獲得しようとしましたが、結局カレリア地方の獲得にとどまりました。

 ――冬が有利に働いた例は?

 (第2次世界大戦時の)モス…

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