イセエビ死なせる海底の幽霊漁具 漁師と高校生が水中ドローンで調査

東孝司
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 無差別にイセエビなどを死なせてしまう「ゴーストギア」(幽霊漁具)という海底の放置漁具を見つけて取り除き、資源の保護につなげようと、徳島県美波町由岐地区の若手漁師らでつくる「美波の海の恵み研究会」と徳島市の徳島科学技術高校海洋科学コースの生徒たちが、同町沖で水中ドローン(無人探査機)を使った海底調査を始めた。

 研究会によると、イセエビ漁の刺し網が岩に引っかかって破れ、海底に残ることがある。漁師は気づけば取り除いているが、素潜りができない深い位置などに網の残骸が放置されれば、そこに意図しない形でイセエビなどが次々に絡まってしまう。現状では、そうした状況になっている可能性を否定できないという。

 研究会は水中ドローンを所有する同高に協力を依頼。第1回の調査として9日午前、同コースの3年生10人と教員3人、漁師8人らが4隻の船に分乗し、由岐漁港を出港した。2基のドローンを操縦したのは生徒たちだ。船上のモニターに映し出される映像を漁師らがチェックした。

 この日は水深10~25メートルの2カ所の海底を探査したが、網の残骸は見つからなかった。同コース3年の湯浅陽輝さん(17)は「ゲームの感覚で操縦できた。ゴーストギアはないに越したことはないので、良かった」と話した。研究会長の筋野徹さん(54)は「高校生にハイテク部分で協力してもらえてありがたい」と喜びつつ、「網はどこかに必ず残っていると思う」と次回の調査を見据えて気を引き締めていた。

 同高と漁師の橋渡し役を務めた徳島大学生物資源産業学部の浜野龍夫教授(63)=海洋生物学=も調査に立ち会い、「徳島の海でこれまでこんな調査が行われたことはなかった。多くの魚が年々取れなくなってきているが、かろうじて取れているイセエビは大事にしていかなければならない」と語った。今後も調査を不定期で行う予定だという。(東孝司)

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