2018年7月2日、ロシア・ロストフナドヌー。
ワールドカップ初のベスト8進出を目指していたサッカー日本代表は、決勝トーナメント1回戦で優勝候補のベルギー代表と対戦した。
2点をリードしたところから3点を失う、衝撃的な逆転負けだった。
ピッチに座ってうつむく選手がいた。
ロッカールームではユニホームを脱ぎ捨て、裸のままぼうぜんと立ち尽くす選手もいた。
日本代表の分析スタッフだった片桐央視さん(38)はロッカールームに戻ってすぐ、こう声をかけられた。
「ちょっと映像を見せてください」
声の主はDFの吉田麻也だった。
吉田の声をきっかけに、片桐…