教職の魅力向上へ19項目の取り組み 岐阜県教育委員会や大学が結束

深津弘
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 学校の教員不足が問題になっていることを受け、岐阜県教育委員会は、教職の魅力を高める取り組みの方針をまとめた。15日には、教員養成課程のある県内7大学や市町村教育長会、校長会のトップと意見を交わした。奨学金返還の補助制度の創設など多様な内容を盛り込み、「可能なものから速やかに実行に移したい」としている。

 県教委によると、公立の小中高校と特別支援学校の教員数は、今年度始業時点で41人不足し、人員補充を進めたが足りていない。採用試験の志願倍率も低下傾向で、公立学校の教員採用試験では小学校の採用倍率が2年連続で2倍を割り込んでいる。

 県教委は、「関係団体が役割分担しながら大同団結する必要がある」として今年度、7大学などとの協議を開始。「養成」「採用」「採用後」の段階ごとに計19項目の取り組みをまとめた案を作成。15日は県庁に県教育長や7大学の学長らが集まり、実施に移すことを確認した。県教委や大学などが結束して取り組む事例は珍しいという。

 意見交換ではさまざまな視点からの意見が出た。「免許を持っていながら他の職に就いた人が、安心して教職に就けるよう、教育実習的なものを受けられるようにし、教員の多様化を図ってほしい」「若い人はシビアに待遇(給料)を見ている。他県と比べてどうなのかなどを検証すべきだ」「高校生の段階で、教員になるためのインターンシップをするなど就職モデルを確立するのがいい」

 奨学金返還の補助制度の創設では、来年度からの実施を目指して予算化を協議する。実施されれば東海3県では初めてという。

 このほか、複数の教員免許の取得を促すため、通っている大学では取れない免許を県内の他大学で取ることができるように大学間で連携する。就職先が決まった大学4年生を対象に意識調査をして、教職を選んだ理由や選ばなかった理由など「リアルなボイス」を集めて施策に生かしたいという。

 採用後の取り組みでは、産休や育休を予定している教員の代替者を年度当初から配置するなど、安心して働ける体制を整備する。(深津弘)

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